診療内容

一般形成外科

にきび

ニキビ(尋常性ざ瘡)とは?

ニキビは、毛穴の出口がつまり毛穴の中の細菌が増えることで発生すると考えられています。
また、思春期ニキビの代表とされるホルモンバランスの変化や遺伝、大人ニキビではストレスや皮脂過剰、
反対に乾燥が原因となることもあります。

正常な皮膚

皮脂汚がなく、毛穴が開いている
正常な状態の皮膚

毛穴が詰まる

皮脂の過剰な分泌などで
毛穴が詰まり、アクネ菌が増える

皮脂が溜まる

毛穴に皮脂が溜まり、
アクネ菌がさらに増える

炎症が起きる

炎症を起こし、ニキビとして認識される

「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」

思春期ニキビ

10代の思春期と呼ばれる時期に発生するニキビのことを「思春期ニキビ」と呼びます。
思春期にきびは、皮脂の分泌が増えることが原因と言われています。
思春期を迎えると、体内に成長ホルモンや性ホルモンの分泌量が急激に増加します。そのため、皮脂の分泌が活性化し、ニキビができやすくなります。
思春期にきびは主にTゾーン(おでこ、鼻、眉間など)にできるのが特徴です。Tゾーンは、顔の中では最も毛穴が多く、その数は頬の約7倍にもなります。そのため、皮脂の量が多く、ニキビができやすくなるのです。

大人ニキビ

思春期を過ぎてから発症するニキビを「大人ニキビ」と呼びます。
大人ニキビは、Uゾーン(頬やあご、フェイスラインなど)にできやすい特徴があります。
Uゾーンは、もともと皮脂が少ない部分ですが、肌の乾燥や表皮の新陳代謝(ターンオーバー)の乱れが原因で、ニキビができやすくなるといわれています。大人になると、ホルモンバランスが安定し、Tゾーンへのニキビは少なくなります。
しかし、大人になってからもTゾーンにニキビができるという場合は、油脂が多めの偏った食事や、ストレスなどでホルモンバランスが崩れてしまうことが原因で皮脂が過剰に分泌されている状態が考えられます。

ニキビの原因

ニキビは、毛穴の出口が詰まり、毛穴の中で細菌が増殖することで発生すると考えられています。毛穴が詰まる原因は、皮脂の過剰分泌、毛穴の角質が厚みを増す「角化異常(過角化)」、化粧品などがあります。

ホルモンバランス

女性の場合、女性ホルモンの影響で、皮脂分泌が増加することがあります。生理周期の後半に分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)は、男性ホルモンと構造が似ており、同じように皮脂分泌を活発にします。この期間にニキビができやすくなります。

ストレス

ストレスを感じたときに分泌されるホルモンは、抗ストレス作用の他に、男性ホルモンの分泌を促す作用もあります。そのため、強いストレスや慢性的なストレスが続くと、皮脂の過剰分泌が起きます。
また、ホルモンを沢山作る際にビタミンBの消費が増えて、ビタミンB不足になり易いです。
ストレスは精神的なものだけでなく、物理的なストレスや肉体的なストレスもあります。

睡眠について

忙しくて睡眠不足になったとき、ニキビができることが多いのではなぜでしょうか。
また、夜更かしや眠りが浅い、また就寝時間が日によってまちまちという場合もニキビのリスクが高まります。

皮膚は眠っている間にダメージを修復して、新しい皮膚をつくっています。寝不足が続くと、修復がうまくいかずにターンオーバーにも影響。古い角質が残ったままになり、毛穴の詰まりとニキビの原因になります。
不規則な睡眠でも、からだのリズムが混乱して、肌細胞を活性させる成長ホルモンの分泌が低下し、ホルモンバランスの崩れにもつながります。

また、パントテン酸を含むビタミンB群が足りなくなるとぐっすり眠れなくなることもあるので、食事などできちんと補う習慣をつけましょう。
22時〜24時の間にはできるだけベッドの中へ。早寝早起き、規則正しい睡眠がニキビに悩まない肌へのカギと言えます。

睡眠とブルーライト

ブルーライトは、体内リズムに関係していることが知られています。食事や運動、温度、社会活動なども体内リズムに関係していますが、特に光、しかもブルーライトが体内リズムに大きく影響していることが、1980年代に研究で明らかになっています。
眼などへの悪影響だけが注目されがちですが、実は朝、昼はしっかりとブルーライトを含む光を浴びることが大切で、その刺激が眼から脳に伝わり、体が目覚めて活動的になるのです。

一方、夜はブルーライトを避けることが必要です。なぜなら、夜にブルーライトを浴びると、脳がまだ昼間だと勘違いして睡眠を促すメラトニンという物質が分泌されなくなるからです(図1)。通常は就寝の3〜6時間前からメラトニンの分泌が増え始め、次第に眠気を覚えて眠り、脳や身体を休めるというのが、人間にとって自然なリズムなのです。このリズムが崩れると、ホルモンバランスが崩れたり、ストレスを抱えることになります。

ブルーライトの影響を考える時に注意しないといけないのは、光源からの距離です。距離が近づくと、その影響は格段に大きくなるのです。具体的には、影響の大きさは距離の二乗に反比例すると言われており、たとえば20cmと2mを比べると、20cmでは2mの時の100倍も大きな影響を受けます(図2)。テレビを観る時は通常1m以上離れるため影響は少ないのですが、顔から約20cmの距離で使用するスマートフォンや40〜50cmの距離で使用するパソコンでは、ブルーライトの影響はより大きくなります。

(図1)ブルーライトとメラトニン

(図2)ブルーライトの量と距離の関係

体内リズムを整える

  • 朝と昼はブルーライトを含む光をしっかり浴びる、夜はブルーライトを避ける
  • 寝る3〜4時間前から照明を暗くするのが理想的
  • パソコンやスマートフォンを夜間に使用する時にはブルーライトをカットし、LED照明が白過ぎる時は光を調整する

食生活の乱れ

肌のトラブルは、栄養バランスが乱れた結果とも言えます。ニキビにも深く食生活が関係しています。脂っこい食事やインスタント食品、甘いスナック菓子の食べ過ぎは特に注意が必要です。
肌細胞の生成に必要なタンパク質や必須脂肪酸、肌の新陳代謝を助けるビタミンAやビタミンB群が不足すると、ターンオーバーが乱れ、角化異常につながります。

脂肪分や糖分は皮脂の栄養となりやすく、過剰にとると皮脂の分泌も増加。皮脂が毛穴に溜まり、ニキビにつながるというわけです。また、脂肪分や糖分が体内に入ると、肌を健やかに保つビタミンB群が代謝のために大量に消費されて不足がちに。皮脂分泌のコントロール機能が乱れて肌が脂っぽくなり、ニキビ肌になります。

逆にカロリーを抑え過ぎる無理なダイエットも、肌に栄養が行き渡らずに荒れたり、ニキビができやすい状態に。大切なのは、肌やからだを育む栄養を考えながら、バランスよく食べる習慣です。

毎日の食事は、内側からのニキビケアにつながります。欠食や暴飲暴食、間食をできるだけ控え、1日3回の食事からさまざまな栄養を摂取しましょう。
肌の材料となるタンパク質、肌の新陳代謝を促したり皮脂量をコントロールしたりするビタミンB2・ビタミンB6、血行を促進して肌荒れの解消を助けるビタミンE、便秘の改善に役立つ食物繊維などを積極的に摂りましょう。

タンパク質 …肉や魚、卵、大豆・大豆製品、牛乳・乳製品
ビタミンB2 …卵、納豆、レバー、焼き海苔
ビタミンB6 …マグロやカツオ、サケ、肉、バナナ、にんにく
食物繊維 …穀物、イモ類、豆類、野菜・果物、海藻類、きのこ類

さらに大人のニキビには、肌のターンオーバーを整えるビタミンA、ストレスによる肌のバリア機能の低下を防ぐビタミンB1やビタミンCもおすすめです。

ビタミンA …ニンジンやかぼちゃなどの緑黄色野菜、チーズ、卵
ビタミンB1 …胚芽米や玄米、豚肉、うなぎ、豆類、青海苔、焼き海苔
ビタミンC …赤ピーマン、芽キャベツ、ブロッコリー、レモン

また動物性脂肪、糖質の摂り過ぎは、皮脂腺を刺激する作用があるため、摂り過ぎると皮脂分泌を増やしてしまいますので、注意が必要です。
炭水化物の中には、「食後の血糖値=GI値」が急速に上昇するものがあります。血糖値を下げるために分泌されるインスリンにも、男性ホルモンを刺激する作用があるため、高GI食に偏ると皮脂量が増えていきます。

便秘とニキビ

腸内で発生した有害物質がニキビのもとに…

便秘が長く続くと、腸内で便が腐敗して悪玉菌が大量に増加し、アンモニアなどの有害物質が発生します。この有害物質は、腸粘膜から血中に吸収されることで、血流にのって体中へと運ばれます。
その一部が皮膚へと到達すると、皮膚は汗や皮脂と一緒にそれらを体外へと排出しようとします。通常、肌では一定のサイクルで細胞を生まれ変わらせる代謝(ターンオーバー)が行われていますが、有害物質が肌の皮脂や角質(古い肌細胞)と結びつくと、このターンオーバーを妨げてしまい、ニキビや吹き出物、肌荒れを引き起こすと考えられています。

便秘によるニキビができやすい場所は?

ニキビは、原因によってできる場所が変わるといわれています。例えば、ホルモンバランスが乱れている時にはおでこに、胃腸が弱っている時には口周りにできやすいのだそう。そして便秘の場合は、頰や口周りにニキビが出るケースが多いと考えられています。

お肌の乾燥

肌の水分量が足りない状態や、乾燥肌の人は、水分の蒸発を防ごうと皮脂が過剰に分泌されています。そのためニキビができやすくなっています。特に肌が乾燥しやすい冬は、肌のバリア機能が破壊されているため、ニキビが非常にできやすい状態になっています。

お肌に合わない化粧品やメイク

化粧品やメイクが、毛穴をつまらせる直接的な原因になることがあります。
「保湿が足りていない」「化粧品の油分が多すぎる」など、お肌に合わない化粧品を使うことでニキビができる場合があります。ニキビが発生したり炎症があれば、化粧品の使用をやめ、専門医に相談しましょう。自分の肌に適した化粧品を使うことでニキビの発生を防ぐことができます。

リキッドファンデーションやコンシーラーなどのメイクは、毛穴に入り込んで詰まる可能性があります。正しい洗顔方法で汚れを落とすことが大切です。肌への摩擦を避けながら優しく洗顔をし、洗顔料が残らないようにぬるま湯でしっかりとすすぎます。すすぎ残しがにきびの発生の原因になります。

洗顔の方法

  • 手のひらと顔がこすれないように優しく
    (泡を転がすように洗いましょう)
  • 32~35℃のぬるま湯で丁寧にすすぎましょう
    (熱めのお湯は肌が乾燥します)
  • 石鹸のすすぎ残しがないように確認しましょう
  • 清潔なタオルで擦らないように水分を拭きとります
  • 洗顔後はすぐに保湿しましょう
  • 日焼けに注意
    (紫外線は肌のターンオーバーの乱れになります)

ニキビ跡

ニキビ跡

毛穴に角栓が詰まった状態を放っておくと、炎症を起こし肌へのダメージが深刻化します。ニキビ治療は、ニキビの出来始めの早い段階で治療をし、進行をストップさせることが重要なポイントになります。ニキビの段階に合わせた適切なケアを行うことで、ニキビの再発防止や、にきび跡を残さないようにすることができます。

色素沈着

赤ニキビや黄色ニキビなどの炎症を伴うニキビができた場合、ほかの細胞へのダメージを軽減させるために表皮の最下層にあるメラノサイト(シミの元となるメラニンを作る細胞)の活動が活発化し、メラニンを生成します。
正常な肌であれば、メラニンは分解・排出されます。しかし、ニキビができた後は代謝機能が弱まっているため、排出されずに赤みや茶色み(シミ)だけが皮膚表面に残ってしまいます。

クレーター

何度も繰り返すにきびや深刻な炎症を伴うニキビができると、表皮の下にある真皮層や皮下組織まで傷ついてしまうことがあります。真皮層はターンオーバーが行われないため、炎症がおさまった後に皮膚表面が陥没してしまうことがあります。このような状態になってしまうと自然治癒は難しく、レーザー治療(フラクショナルレーザー参照)などが必要となります。

ニキビの治療

まずはこれまで説明させていただきました様に、原因となる生活習慣の改善をお願いしています。生活習慣の乱れは、ニキビが出来やすく、治りずらい状態が継続しています。ホルモンバランスを整える、ストレスを減らす、睡眠の改善などをお願いしています。さらにビタミン補充のために食生活の改善や肌状態の改善のための洗顔方法、化粧品のご紹介をさせていただきます。

その上で状態に応じた内服の処方と外用の処方から開始いたします。
それでも改善が認められない場合は、保険診療外のケミカルピーリングなどもご用意させていただいています。ご希望の方は医師にご相談ください。

佐久平よつばクリニック

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